コロナ禍でダメージを受けた大学合唱団を盛り上げようと、東北大学の学生らが中心となって第2回大学合唱団オンライン合唱祭(全日本合唱連盟後援)を開く。3月15日正午から31日まで演奏動画を公開し、互いに感想を出し合うほか、一般からの視聴者投票も受け付ける。作曲家の信長貴富さんも講評者として協力する。
昨年に続いて2回目。東北大学混声合唱団の西谷舜さん(工学部4年)らが準備を進めている。
合唱はコロナ禍のとき、室内で近距離で歌うと感染のリスクが高いと言われ、大きな影響を受けた。中でも、大学合唱団はキャンパス閉鎖によって解散や縮小を余儀なくされ、学年から学年への運営の引き継ぎもできなかった。そのため、その後も「復活」に苦労する合唱団が少なくない。
西谷さん自身は新型コロナウイルスが拡大した2020年は青森高校の3年生で、全日本合唱コンクールなどの中止を経験。大学に入学後の21、22年も大学に制限されたり、合唱団内で感染が広がったりして思うように合唱活動ができなかった。
そんな状況を打破しようと、東北大学混声合唱団は宮城県議会に出向いて演奏したり、大型商業施設のステージで歌ったりして、活動の幅を広げてきた。23年夏には、西谷さんら数人で大学合唱団が対面で集まる合唱祭を企画したが、費用の問題などで断念。それでも「対面が難しければ……」と昨年、オンライン合唱祭を始めた。
今回は東京大や京都大、早稲田大など全国から21団体が参加する。各団体が7分以内の演奏動画を撮影し、You Tubeで公開、互いに聴き合うことで交流する。ネット上で講評を書き込み、「もっと演奏を聴いてみたい」ところに投票する。一般からの投票も受け付け、総合1位になった団体にグランプリを贈る。信長さんはすべての団体の演奏についてコメントし、ホームページやSNSで公開する。
「コロナ禍という苦境を乗り越えた大学合唱団の底力を見せたい」と西谷さん。「4月の新入生の勧誘にもつなげたいし、高校生にも大学合唱団の楽しさを知ってほしい」と話している。
詳しくは合唱祭のホームページ(https://sites.google.com/view/univ-chorus-fes-2025/top)で。
参加団体は次の通り。
北海道大学混声合唱団▽北海道大学合唱団▽東北大学混声合唱団▽東北大学男声合唱団▽仙台高専名取合唱部▽福島大学混声合唱団▽群馬大学混声合唱団▽早稲田大学コール・フリューゲル▽早稲田大学女声合唱団▽上智大学混声合唱団アマデウスコール▽東京大学白ばら会合唱団▽東京大学音楽部合唱団コールアカデミー▽立正大学グリークラブ▽金沢大学合唱団▽三重大学合唱団▽京大合唱団▽京都大学音楽研究会ハイマート合唱団▽神戸大学混声合唱団アポロン▽岡山大学グリークラブ▽九大混声合唱団▽佐賀大学混声合唱団コーロ・カンフォーラ